境界知能(IQ70〜85)の子どもは、学力や生活面に“目立つ大きな問題はないのに、なぜかうまくいかない”という特徴があり、通常級か支援級かの判断がもっとも難しい層です。
この記事では、境界知能の子にとって適切な学びの場を考えるために、
- 具体的な判断ポイント
- 学校側との話し合い方
- 先生への伝え方の工夫
をまとめました。
このサイトでいう境界知能は、IQ70〜85という数値を一つの目安として整理しています。
グレーゾーンは、その境界知能を含みつつ、発達障害など診断の有無だけでは説明できない状態全体を指しています。
■ 境界知能の子は「支援級 or 通常級」どちらが良いのか?
結論から言うと、子どもの特性・学習状況・環境の3つのバランスで決めるのがもっとも確実です。
境界知能は診断名ではなく、支援の要否が一人ひとり大きく異なるため、
• 通常級の中で配慮を受けたほうが伸びる子
• 支援級の小集団で安心して学べるほうが伸びる子
どちらのパターンも存在します。
■ 【大前提】就学のルール:境界知能は「通常級が基本」
まず、境界知能で支援級に行く子の多くは
- 「知的障害のボーダーに近い(IQ70くらい)ケース」
- 「発達障害を併存しているケース」です。

私の子供はIQ72と73でした。住居がある地方自治体では軽度知的障がいの診断となるため、支援級への案内もされました。
それでも、基本は「通常級が基本」としていいです。
なぜなら、境界知能と判断されるのが、だいたい、小学校に入って以降になります。つまり、小学校2年まで通常級で、小学校3年から支援級とした場合、混乱が生じます。
さらに、支援級と通常級は、授業の一部を同じ教室でやることもある。これが、あなたの子供にも、ほかの子供にもかなりの動揺を生み出します。
多くの場合、今までの友人関係が全くゼロになる、さらに孤独やいじめなどの原因ともなります。
それでも、支援級を検討する場合
ただし、以下の条件を満たすと支援級(知的 or 情緒)を検討する必要が出てきます。
• 学習面で著しい遅れがある(学年相当が困難)
• 授業についていけないストレスが強い
• 集団行動が難しく、学習以外でも困りごとが多い
• WISC等の検査で“明確な特性”が示されている(ワーキングメモリの低さなど)
■ 支援級か通常級かを判断する5つのチェックポイント
1.学習の遅れ具合
判断でもっとも重要なのが「学力の遅れの程度」です。
• 1〜2学年以上の遅れ → 支援級を検討
• 同学年の基礎レベルならギリギリ理解できる → 通常級+配慮
• 漢字・計算・文章読解に顕著なつまずき → 個別支援の必要性大
境界知能の子は“点では理解できるが、単元全体では理解が追いつかない”という状態が多く見られます。
2.ワーキングメモリ(作業記憶)の弱さ
境界知能の子の多くは検査でワーキングメモリ(WM)が低い傾向があります。
• 指示が通りにくい
• 授業の流れを保持できない
• 問題文を読み終わるころには内容を忘れる
こうした傾向が強い場合、支援級の少人数でゆっくり進む授業のほうが、メリットは大きいです。
3.学校生活(日常場面)の困りごと
学習以外の面も判断材料になります。
• 忘れ物が多い
• 友達トラブルが増えやすい
• 集団での活動が苦手
• 長時間の集中が難しい
• 授業中に、問題行動が起きる
これらが強いと、支援級のほうが安心して過ごせます。

さらに、ほかの障がいも確認したほうがいいですね。
4.自己肯定感・精神的な負担
境界知能の子は、努力しているのに成果が出ず、自己評価が下がりやすい特性があります。
• 通常級で授業についていけず毎日疲れ切っている
• 宿題の量が負担で家庭が荒れる
• 「自分はバカだ」と言うようになった
• 「学校に行きたくない」と言い始める
• 言葉にできないが、ふさぎ込む場面が多くなった
このような場合、支援級のゆっくりした学習ペースが精神面を守る助けになります。
5.中学以降の進路との整合性
大切なのは、「今」ではなく「中学・高校」で本人がどう学ぶか」まで見据えることです。
• 中学の教科担任制はハードルが高い
• 進学は支援級でも可能(特に“支援級→通常級併用”が増加)
• 高校は多様化しており、専門高校・チャレンジ校・通信制も選べる
進路の自由度は想像以上にあります。
■ 支援級を選ぶメリット・デメリット
では、支援級のメリット・デメリットを見ていきましょう。
• 少人数でのきめ細かな指導
• 理解できるスピードで授業を進めてもらえる
• 先生が本人の特性を深く理解した支援ができる
• 自信を回復しやすい
• 友達関係のトラブルが減る
• 教科学習の量が少ない場合がある
• 高校受験の際に選択肢が狭まることも(近年は改善しているが、それでもまだある)
• 「支援級=特別扱い」というイメージを本人が気にする可能性
■ 通常級を選ぶメリット・デメリット
続いて、通常級を選ぶメリット・デメリットをご覧ください。
• 進学ルートが広い
• 同学年の子と同じカリキュラムで学べる
• 社会性が身につきやすい
• 授業についていけないと消耗しやすい
• 同じ内容を理解するのに倍以上の努力が必要
• 宿題の負担が大きくなりやすい
■ 支援級か通常級か迷ったときの“中間案”
では、迷った時の中間案を2つご紹介します。どちらも境界知能の子にとても相性が良いサポートです。
● 通常級在籍+支援級で個別指導
→ 多くの自治体で実施している
→ 国語・数学の一部だけ支援級に移動して学ぶ方式もあるか、学校に確認しましょう。
● 通常級+通級指導(情緒・LD)
→ 言語理解や学習スキルの土台作りに効果的。
■ 親が学校・先生への伝える方法
続いて、学校・先生への伝える方法についてです。
▼ 伝え方の基本姿勢
• 「困っているのは本人」を軸に話す
• 主観ではなく“事実”を伝える
• 先生を責めない
• 学校への理解を示す(自分の子供だけを特別扱いする理由がないのは、これも事実である)
▼ 先生に伝える時のフレーズ例
(例1)学習面の困りごとを伝える場合
「授業内容を家庭で確認すると、理解できていない内容が多く、本人も“頑張っているのにできない”と落ち込むことが増えています。」
(例2)支援の必要性を相談する場合
「通常級のままで頑張ってほしい気持ちはありますが、本人の負担や精神的なストレスも心配で、支援級や通級の可能性についてご意見を伺いたいです。」
(例3)検査結果がある場合
「検査でワーキングメモリの弱さが指摘されており、授業を保持することに難しさがあるようです。」
■ まとめ:最適な選択は「子どもが安心して学べる環境」
境界知能の子は、支援級か通常級かの判断が本当に難しいですが、大切なのはただ一つ。
“子どもが無理なく、安心して、できる喜びを感じられる環境”を選ぶこと。
• 表面的な学力
• 周囲の目
• 卒業後のルート
よりも、「今の本人が何を感じ、どこでなら成長できるか」を軸にすると、後悔しない選択ができます。
あなたとお子さんにとって最適の学びの場が見つかりますように。このサイトがほんの少しでも、手助けできたなら、こんなにうれしいことはありません。
なぜなら、あなたは、昔の私と同じ。ぜひ、参考にしてください。

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