■ なぜ「怒鳴りたくないのに怒鳴ってしまう」のか
境界知能の子との日常は、次のような“積み重なるズレ”が起きやすい特徴があります。
• 何度注意しても忘れる
• 片づけ・支度に時間がかかる
• 説明しても理解が追いつかない
• 予測が苦手でトラブルを繰り返す
• 感情のコントロールが弱い
これが1日で何度も起きると、親の脳は「危険」「ストレス」と判断して、怒りのスイッチが入りやすくなります。
つまり——
怒鳴ってしまうのは、あなたが悪いのではなく、脳の反応です。
■ 境界知能の子が「親の怒り」を引きやすい理由
境界知能の特性は、親のストレスを蓄積させやすい傾向があります。
● ①「同じミスの反復」が多い
脳のワーキングメモリが弱いため、一度言ったことを翌日じゃなく、その日のうちにでも、忘れてしまう。

私も、子供に、何度も何度も思いました。なんで、さっき言ったのに。
その時はまだ、境界知能とは知らなかったので「なんで、こんなことを」と思ったものです。
● ②「段取り」が苦手
指示を複数言うと、最初の1つしか入らないこともあります。

つまり、2個目、3個目の指示が全く抜けている。
でも「それは子供のせいではない」。
じゃあ、親のせい?と思いますよね。
● ③ 感情が不安定で、泣く・暴れるなど反応が大きい
子どもは感情豊かです。だから、色々な感情を親にぶつけてくる。ただ、ぶつけられ続けるのも、たまったものではありません。
● ④ 親の努力が“結果になりにくい”
「こんなに頑張っているのに…」という虚無感を抱きやすい。努力をしたからと言って、子供のIQが高くなるわけではありません。
ましてや、将来の不安は、雪だるま式に増えてくる。「こんな明日を望んでいたわけではないのに」と思ってしまいます。
■ 怒鳴りそうになったときに使える「即効の技」
怒りのピークは最初の6秒と言われています。まずはこの6秒をやり過ごすことが最優先しましょう。
● ① その場から3メートル離れる
物理的な距離が、怒りの強さを下げます。さらに、手をあげなくても済む距離なのもいいですね。
● ② 深呼吸をする
呼吸は脳を落ち着ける最速の方法。怒っているとき、なんかソワソワしているときは呼吸が浅い。これだけで、だいぶ変わります。
● ③「今は話せない」と宣言する
「あとで話そう」。そういうのも、別にいいじゃないですか?
怒って話すよりも、時間をおいた方がいいに決まっています。
■ 怒鳴らなくなるための「生活習慣」
怒りやすさは、生活リズムにも影響します。
• 睡眠時間を確保(できれば、7時間以上)
• 1人になれる10分を作る
• 完璧主義のタスクを減らす
• 子どものスケジュールを“3割ゆるく”
こういった考えを持ちましょう。心に余裕を持てます。
■ 家庭ですぐ使える「怒鳴らない声かけ」テンプレ
境界知能の子には、短い言葉・具体的・一つずつ が基本です。
● ①「次にやることはこれだよ」
(段取りの代わりをしてあげる)
● ②「このあとどうする?」
考えるきっかけを与える声かけ。
● ③「一緒に10秒だけやろう」
ハードルを下げると動きやすい。

ほんの少し意識してあげましょう。それだけで、対応が変わっていきます。
■ 怒鳴られた子どもが感じること
境界知能の子は、怒られると
• 自信をなくす
• 行動がさらに固まる
• 不安が大きくなる
• 家で緊張しやすくなる
感情の処理が苦手なため、怒鳴られると“思考停止”になり、行動も遅くなります。
だからこそ、私たちが少し冷静に保つことが大事なのです。
■ 親が限界だと感じたら相談していい
次の機関は「頼っていい場所」です。
• 市区町村の発達相談
• 児童相談支援センター
• 学校のスクールカウンセラー
• 発達専門の心理士
• 福祉支援課
あなたがラクになることは、子どもの安心にもつながります。頼るのも、親の務めですよ
■ 最後に
境界知能の子育ては、一般的な子育てより負荷が大きいものです。
怒鳴ってしまっても、あなたが悪いわけではありません。
今日、この記事を読んだ時点で——
あなたはもう十分すぎるほど「よい親」です。

間違いない。境界知能とは知らずに、怒鳴って、怒って、そして自己嫌悪に陥っていた私だから、言えるのです。
できることから一つずつ。あなたの負担が少しでも軽くなりますように。

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