境界知能(グレーゾーン)の子育てで夫婦の方針が合わないとき|ズレを解消する具体的な話し合い方

■ 「夫婦で意見が合わない」は“珍しいことではない”

境界知能はIQ70〜85を目安としています。グレーゾーンは、境界知能や発達障害などを含む、より広い状態を指す言葉です。

境界知能の子育てでは、夫婦の支援方針が合わないことはよく起こります。

• 勉強のサポート量
• 叱り方・注意の仕方
• どこまで手伝うか
• 学校の選び方
• 専門機関の利用
• 高校受験の方向性

これらは“正解が一つではない”ため、夫婦で意見が割れやすいのは当然です。


■ 夫婦の方針がズレる本当の理由

多くは “情報量と見えている世界の差” から生まれるもの。「性格の問題」ではありません。

● ① 母親の方が子どもの困りごとを日々目撃している

日常の細かい困難を見ている人ほど、危機感は強くなります。

● ② 父親は問題が“突然に見える”

細かい積み重ねが見えていないため、大きな問題が発生したときだけ気付くことが多いです。

● ③ 子どもへの期待値が違う

「頑張ればできるはず」と「特性だから難しい」がぶつかることは、数多くありますね。

● ④ 支援の知識を学ぶタイミングがズレている

知識の差が、意見の食い違いを生むことも、よくあることです。

夫婦のズレは、どちらが正しい/間違っているではなく、見えている情報が違うだけです。ここでは、そのわずかなズレが起こす問題の解決の糸口をお伝えします。


■ 衝突を避けるための「夫婦の会話ルール」

夫婦が対立しやすいのは、“困りごとが起きている最中”に話し合うから。
次のルールがあると衝突は激減します。

● ① 「その場で解決しようとしない」

感情が高いと、話し合いは失敗しやすい。まずは、お互いの情報共有と、見るべき方向を認識し合うだけで、いいです。

● ② 「状況の説明→気持ち→希望」の順で伝える

-【状況】「最近、宿題に2時間かかっている」
-【気持ち】「私もイライラしてしまってしんどい」
-【希望】「一緒にサポートの量を見直したい」

こうすると、やるべきことが明確になり、理解が得られやすいです。

● ③ “相手の意見をまず繰り返す”

「あなたは“本人の力を信じたい”と思っているんだね」

これだけで防御反応が弱まります。まずは、お互いの意見を受け入れましょう。なぜなら、相手がそう思っているんですから。大事な、あなたのパートナーですよ。


■ 話し合いをスムーズにするテンプレート

以下の3ステップで会話すると、
どちらの意見も尊重されやすくなります。

● STEP1:事実を共有

「テストがすべて30点以下だった」
「今日、友達とトラブルが起きた」

● STEP2:気持ちを共有

「私は今のままだと高校が心配で焦っている」
「このままいじめにつながったら、どうしようと心配」

● STEP3:改善案を2つずつ出す

「私は“サポートを増やす案”と“塾を検討する案”を考えている」
「俺は“今のペースを3ヶ月維持する案”と“科目を絞る案”がいいと思う」

「明日、学校に行って先生に状況を伝えようと思っている」
「友達の母親と知り合いだから、なんとなく探りを入れてみようと思っている」

複数案を出すことで、対立を避けられます。


■ 母親が抱え込みやすい理由

• 日常の困りごとを最前線で受ける
• 学校とのやり取りも母親に集中しがち
• 子どものメンタルが不安定なときのフォローも担当する
• 相談先が少なく、孤独を抱えやすい

今でも、やはり窓口の1番手は「母親」となってしまいます。“私ばっかり頑張ってる”と感じるのは当然です。


■ 父親が理解しやすい伝え方

父親に伝える際は、感情より“事実とデータ”が響きやすい傾向があります。

-「3ヶ月で宿題の時間が平均30分伸びてる」
-「テスト勉強をしても点数が上がらない理由はWISCの数値と一致してる」
-「専門機関からも“段取りが苦手”と指摘されている」

父親は“問題が明確化すると行動が早い”タイプが多いです。


■ 第三者の介入が必要なケース

次の状態なら専門家を挟むのがおすすめです。

• 話すと必ず喧嘩になる
• どちらか一方が限界
• 支援方針が真逆で子どもが混乱している
• 親のメンタルが不安定

スクールカウンセラーや発達支援センターで、「夫婦で相談」に応じてもらえることもあります。
何かを頼るのも、親の務め。大事なことですよ。


■ 一番大切なのは“夫婦で一致した一言”

境界知能の子どもは、言葉の裏を読み取りにくく、父母の方針がバラバラだと混乱しやすくなります。

最初に揃えるべきは——
「あなたの味方だよ」という共通メッセージ。

支援の細かい方針は違っていても、“軸となる言葉が同じ”なら、子どもは安心して前に進めます。


■ 最後に

境界知能の子育ては、夫婦共に“手探り”の連続です。
意見がズレるのは当たり前で、どちらかが悪いわけではありません。

喧嘩するということは、それだけ「子供」を大事に思っているから。
夫婦が同じ方向を見られる瞬間が増えると、子どもも落ち着き、家庭も安定します。

できる部分から一つずつ。あなたの家庭に合ったサポートが見つかりますように。

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