「学校生活は普通に送れているのに、勉強だけが極端に苦手」
「努力しているのに覚えられない、定着しない」
そんなお子さんを見て、
「もしかして境界知能(ボーダー)かもしれない…?」
と感じている保護者の方は少なくありません。
境界知能とは、IQ70〜84の“グレーゾーン”にある子どもを指し、学習に関する困りごとが目立ちやすいことが特徴です。
この記事では、境界知能の可能性がある子に見られやすい項目を 20個のチェックリストとしてまとめました。当てはまる数が多いほど、境界知能の傾向が強い可能性があります。

※これは診断ではありません。
あくまで“気づきのヒント”としてご活用ください。
【1】境界知能の子に見られやすい特徴
境界知能の子は、
• 日常生活は問題なく送れる
• コミュニケーションもできる
• 友だち関係も普通
というケースが多く、「一見すると困難が見えにくい」のが特徴です。
しかし、学習面では次のような特徴がよく見られます。
• 覚えるのに時間がかかる
• 手順を守れない
• 集中力が続かない
• 文章の理解が苦手
• テストになると極端に点数が取れない
これらの背景には、
ワーキングメモリ(作業記憶) や 処理速度の弱さが関係していることが多いです。
【2】境界知能の可能性がある子のチェックリスト20
以下は、小学生〜中学生で見られやすい特徴をまとめたものです。
「よく当てはまる」「ときどき当てはまる」で判断してみてください。
▼学習面(12項目)
① 暗記が極端に苦手
覚えてもすぐ忘れる。今日やっても、明日には忘れている。何度教えても定着しにくい。
② 文章題をほとんど理解できない
そもそも、文章から情報が読み取れない。読みながら前の内容を忘れてしまう。
③ 授業についていけない/説明を理解できない
先生の説明が「長く感じる」「いつの間にか分からなくなる」。
きちんと聞いているのに、理解ができない。帰宅後、授業の内容を聞いても、具体的に話ができない。
④ ノートをきれいに写せない
写し間違い・抜け落ち・極端に時間がかかる。ひらがな、カタカナ、漢字の文字が小学校低学年レベルのまま。
⑤ 手順の多い勉強が苦手(算数・数学)
どこまでやったか忘れる、途中で迷子になる。
⑥ テストになると点が取れない
問題形式が変わると解けなくなる。同じ内容を、別の言葉で聞かれると、まったくわからない。
⑦ 一度に複数の指示を出されると混乱する
「◯◯して、そのあと△△してね」が覚えられない。
⑧ 自分の間違いを確認するのが苦手
見直しができず、同じミスを繰り返す。自分のミスを受け入れられない。
⑨ 「わからない」と言えない/理解していないのに進む
周囲に合わせてしまい、置いていかれる。自分だけわからないというのが、恥ずかしい。周りの目を気にして、迷惑かと空気をよんで、言えない。
⑩ 長い文章を読むだけで疲れる
読み進めても頭に入らない。読むだけで精一杯。内容は二の次になってしまう。
⑪ 問題文の条件を見落とす
「3つ選べ」「○○以外」などを読み飛ばす。答え方を見ずに、勝手な答えを書いてしまう。
⑫ 単位・数量・時間の感覚が弱い
km・cm、kg・g、時計の読みなどで混乱する。
▼生活・行動面(8項目)
⑬ 忘れ物・なくし物が極端に多い
繰り返し注意しても改善しにくい。学校で書いたメモ自体を忘れてしまう。学校からのプリントが、1週間後、1か月後に出てくる。
⑭ 場面の切り替えが苦手
始めるのも終わるのも時間がかかる。会話で、ほかの人が次の話題になっているのに、自分だけ、まだその話題の話をしている。
⑮ マルチタスクができない
同時に2つのことを進めるのが難しい。1つだけならできるが、2つになると、固まってしまったり、別の作業をしてみたりとなる。
⑯ 人の話を聞いていないように見える
話の途中で内容がわからないため、聞くのをあきらめてしまう。
⑰ スケジュール管理ができない
明日の準備・宿題の段取りなどが苦手。夜の遅い時間や朝に宿題などを、やりだす。親が聞いても、その時には何も答えない。
⑱ 初めての場所・初めてのルールが苦手
見通しが立たないと不安を感じやすい。ルール自体を読み取れないため、周りがやってから、初めて動き出す場合が多い。
⑲ 大人の言葉をそのまま受け取りやすい
抽象的な説明より、具体的な方が理解しやすい。

例えば、私の家の話ですが。
子供がトイレの電気をつけっぱなしだったので、次消すようにという意味を込めて「トイレの電気、つけっぱなしだったよ」といったのですが、その意味を理解できずに、また、電気を消さなかったことがありました。
⑳ 自己肯定感が低くなりがち
できない経験を積み重ね、自己評価が下がりやすい。周りの目を気にして、自分がいると迷惑かもと思ってしまう。
【3】チェックリストの見方
おおよその目安は以下の通りです。
• 5個以内 → 特性というより個人差の範囲の可能性
• 6〜10個 → 境界知能または学習特性の可能性あり
• 11個以上 → 専門の相談機関での確認を推奨
特に、
• 暗記の極端な苦手さ
• 文章題や手順処理の困難
• 忘れ物の多さ
• 指示の聞き取りと保持の弱さ
などが複数ある場合は、境界知能の傾向が強くなります。
【4】当てはまったときの「次のステップ」
▼① 学校の先生・スクールカウンセラーに相談
学習面のつまずきが続く場合、まず学校に相談を。ここから、児童相談所への面談や、学校側の配慮などが動き出します。
▼② 児童相談所/発達外来でチェック
必要であれば、知能検査などで得意・苦手を明確にできます。
▼③ 支援級・通級を視野に入れる
苦手を補い、得意を伸ばす環境を選べます。

本当に普通学級に行くのがつらい人だけ、検討したほうがいいと思います。入学から普通学級だった子供が、例えば、急に4年生から支援級になるのは、子供にも、同じクラスだった子供や友人にも、衝撃が大きいですからね。
▼④ 家庭学習の方法を変える
境界知能の子には、「短く」「具体的」「視覚化」した学習が効果的です。
【5】まとめ
境界知能(ボーダー)の子どもは、日常生活は普通に送れる一方で、学習面だけ大きなつまずきを見せることが、よくあります。実際に、私の2人の子供もそうでした。
チェックリストに多く当てはまった場合は、「子供の努力不足」ではなく 脳の特性によるものかもしれません。
早めに気づき、
「その子に合った学習方法」
「困りごとが減る環境」
を整えることで、学校生活も家庭生活も大きく変わっていきます。

コメント