境界知能(ボーダー・IQ70〜85)は、発達障害とも通常知能とも違う独特の特性を持っています。そのため、学校でも家庭でも「なぜかうまくいかない」「努力しているのに結果が出ない」と困ってしまうことがあります。
本記事では、境界知能の子に多く見られる 特徴10個 を、親御さんにもわかりやすい言葉でまとめました。
「育てにくさの理由がわかった」「子どもに合った接し方が見えた」という思ってくれたらな、と思っています。ぜひお子さんへの理解に役立ててください。
境界知能(ボーダー)とは?簡単におさらい
境界知能とはこのサイトでは「IQ70〜85程度の幅にある知能」のことで、発達障害の診断はつかないものとします。日常生活や学習でつまずきやすい層のこと。
知的障がいの診断は出ないこともあるので「グレーゾーン」と呼ばれることもあります。
特徴は以下の3つに集約できます。
•できないことが、ほかの子と比べて多い
• 努力の量と結果が比例しにくい
• 周囲から誤解されやすい
この「ギャップ」が、学校生活や思春期での困難につながりやすいのです。
【境界知能の特徴10選】親が知っておくべきポイント
① 理解に時間がかかる(説明を“あと一歩”で取りこぼす)
これはIQ80~85程度の子供に多いです。理解はできるが、時間がかかる。
●説明の中の大事な部分が抜けてしまう
●一度聞いただけでは覚えられない
●長い話だと途中で処理が追いつかなくなる
これは「言語理解」の弱さが関係しています。
• 伝える内容は短くしたほうがいい
• 重要な部分だけを繰り返す
• 紙を使って、耳と目で、教えてみる
• 解答方法を、時間がかかってもいいので、1つだけにする
⑥ 勉強面で“あとひと押しが足りない”が起きやすい
これもIQ80~85程度の子供に多いです。途中まではいけるが、そこからは時間がかかる。
• 暗記はできるのに文章題で落ちる
• 練習はできるのにテストになると失敗
境界知能の子は、基礎はできても応用が難しい ことが多いです。
• 1問ずつ確実に
• 基本問題だけ、できるようにする
• 同じ問題を反復したほうが伸びやすい
② 抽象的な言葉・比喩が苦手
「空気を読んで」「もっと考えて」「要点をまとめて」
こういった抽象語は、頭の中でイメージ化しにくい傾向があります。
例えば、私の子供は、トイレの電気を消し忘れていた時がありました。そして、消してほしいので「トイレの電気ついていたよ」といったのですが、その「(だから今度消しておいて)」という意味がわかりませんでした。
つまり「トイレの電気つけっぱなしだから、今度は消しておいてね」と具体的な指示が必要なのです。
• 具体的行動で指示する(例:「これを3ページ書こう」)
• 比喩や例えは使わない
• 「これをこうしてほしい」と、やってほしいことは直接な表現で伝える
③ “同時に2つ”が苦しい
• 話を聞きながら作業
• 手順を覚えながら問題を解く
• 指示A→B→Cを頭に保持しながら行動
といった“並行作業”が難しいタイプ。これは短期の記憶(ワーキングメモリ)が弱いことが、原因の1つと言われています。
• 手順を、わかりやすく書いた図などでやってみる
• 1つ終わったら次を伝える
• 机の上は、その作業だけのものにする
④ できる日/できない日の差が大きい
昨日はできたのに、今日はできない。これは親御さんがよく感じる特徴です。これは 脳の処理速度が疲れやストレスの影響を受けやすいためです。
• 波があることは、ほかの人も同じ
• 調子のいい日は“成功体験”を積ませる
• そして、その日の事を、親も覚えておく
• 逆に、無理な日は早めに切り上げて、別の事をする。
⑤ ルーティン作業・パターン化したものは、できることが多い
●決まった手順
●繰り返し作業
はできることが多いです。これは、「型」にはまると、脳が安定するため。
• 習いごと(作業系)
• ルーティンのある仕事
• 家庭内の役割(洗濯物たたみなど)
ちなみに、私の下の子供は「茶碗洗い」なんかもしてくれます。洗う→流す→食器を並べると、手順が簡単で、しかも褒められるので、得意げにやってくれます。
⑦ 友達に誤解されやすい
・会話のテンポがずれる
・空気を読むのが苦手
・自分の気持ちの説明があまり得意でない
このため、友達と距離ができやすいことがあります。親として、とても心配。
• 大人数より少人数で関係を作る
• 話し方や断り方を練習しておくとよい
• 親と会話をたくさんして、好きなこと、夢中になれることを知っておく
• ママ友、パパ友を活用して、親同士のコミュニケーションをとれるようにする
• 学校で友達ができなくても大丈夫なように、別の習い事をさせるのもあり
⑧ 行動スピードがゆっくりで時間がかかる
テスト、支度、片付けなどに時間がかかるのは、“遅い”のではなく 処理に時間が必要だからです。親としても、イライラしないようにしましょう。
• 早めの準備をさせる
• 支度は前日に準備しておく
⑨ 不安が強く、自己肯定感が下がりやすい
周囲との差に気づきやすいため、「自分はできない」という感覚を持ちやすい傾向があります。できないと感じてしまうと、本当はできることも、できないと二の足を踏んでしまいます。
• 小さな成功体験を積ませる
• できた手順・努力をほめる
• “できる方法”を一緒に探す
• 親もイライラしない
• 子どもが悪いわけではない、子供の責任ではない点を、親子ともに理解する
⑩ 努力が結果に反映されにくい(本人はすごく頑張っている)
境界知能の子は、実は努力家で真面目タイプが多いです。なぜなら、悪知恵さえも働かないからです。
そして
・処理速度
・ワーキングメモリ
・実行機能
などの弱さが、結果に直結しにくいのです。
• 結果よりプロセスを評価
• 目標は小さく設定
• できた部分だけに注目する
あとは、生まれた時のことを思い出しましょう。あのかわいい子、自分の命など惜しくないと思ったことを思い出すのです。それだけで、多少のできなさなんて、問題ありませんよね。
まとめ:境界知能の理解は、親子の安心につながる
境界知能の子は、「怠けている」「やる気がない」のではありません。脳の情報処理の特性が、日常や勉強のつまずきにつながっているだけ。
特徴を知り、子どもに合った環境作りができるようになると、
●学習
●生活
●進路
すべてで安定しやすくなります。
お子さんが「できる」を積み重ねていけるよう、ぜひ、このサイトを参考にしてみてください。

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