境界知能(IQ70〜84)の子は、学習面だけでなく、買い物・金銭管理といった日常生活のスキルにもつまずきやすい特徴があります。
• 金額の大きさが感覚的に分からない
• 必要な物と不要な物の判断が難しい
• おつりの計算が苦手
• 衝動的に買ってしまう
• 財布にいくら入っているか把握できない
こうした「生活の実力」は、学校では十分に教わらないため、家庭で少しずつ練習することが非常に重要です。
この記事では、境界知能の子が買い物やお金の管理でつまずく理由と、今日からできる具体的な練習方法を解説します。

私も、この点について、とても不安に思っていますから。
同じ仲間として、お話しさせていただきます。
■ なぜ境界知能の子は「買い物・お金管理」が難しいのか?
1.抽象的な数字の理解が弱い
境界知能の子は「数字を現実の価値に結びつける」ことが苦手です。
• 100円と500円の違いが曖昧
• 「今、手元に使える金額」がイメージできない
• 高いもの・安いもの(特に2つ以上の合計)の判断が難しい
結果として、無駄遣いや不適切な買い物につながります。
2.計算が苦手(特に暗算)
買い物では、瞬時に計算する場面が多くあります。
• 「これとこれを買ったら合計いくら?」
• 「千円出して、いくらおつり?」
ワーキングメモリが弱いと、途中で混乱してしまいます。

これは、計算問題を解いているところを見ていると、わかりますよね。
足し算、引き算ができないなら、お金の計算は無理じゃないか…って、思ってしまいます。
3.判断力の弱さで“今すぐ欲しい”が勝つ
境界知能の子は、目の前の欲求を優先しやすい傾向があります。
• 今欲しい → 買う → 後で後悔
• セール品を見ると必要なくても買ってしまう
これは育ち方ではなく、脳の特性によるものです。

下の子供が、小学3年生の時、学校のバザーで、まったく必要のない服をたくさん買ってきたことがありました。こういったことが起きるのです。
4.手順の整理が苦手
買い物には実は多くの工程があります。
① 欲しい物を選ぶ
② 値段を見る
③ 合計金額を考える
④ 財布からお金を出す
⑤ おつり・レシートを受け取る
この流れの整理が苦手なため、混乱しやすくなります。

マルチタスクが苦手な、境界知能の子供なら、なおさらです。
■ 境界知能の子におすすめの「お金の練習ステップ」
家庭での練習は、急がず段階的に行うことが効果的です。
ステップ1:お金の大きさ・価値を体感する
まずは「お金に触れる」ことから。
• 本物のお金を触る
• 1円 → 10円 → 100円 → 500円の順に練習
• 同じ金額の組み合わせを並べてみる
100円 = 10円×10個
500円 = 100円×5個
身体で覚えると、理解が定着しやすいです。特に今は、タッチ決済が主流ですからね。実際に、お金を触ってみましょう。
ステップ2:小さな買い物から“成功体験”を積む
おすすめは 100円ショップ。
• 買う物は1点だけ
• 100円+税のわかりやすい仕組み
• 失敗してもダメージが少ない
初めの買い物は「親が横で見守るだけ」で十分です。
ステップ3:合計金額を予測する練習
100円ショップになれたら、2つ・3つの商品で合計金額の練習をします。
• 計算機を使ってOK
• 紙にメモしながらでOK
「暗算でできないならやり方を変える」これが成功のポイントです。
ステップ4:財布の“見える化”をする
境界知能の子は頭の中で管理するのが苦手です。
• お札と小銭の仕切りを増やす
• 所持金をメモ
• 使ったら線で消す
「視覚で管理できる環境」をつくりましょう。
ステップ5:お手伝いで“収入”を体験する
収入→支出→残金
という流れを理解できるようになります。
• 皿洗い
• ゴミ出し
• 洗濯物たたみ
報酬は数十円〜100円で十分です。
ステップ6:“必要・不要”の判断練習
買う前に以下の質問をします。
• 本当に必要?
• これを買わないと困る?
• 来週も使う?
質問があることで、衝動買いを抑えられます。
ステップ7:レジの手順を練習する
家でロールプレイをします。
親:店員役
子:買い物客
• 商品を出す
• お金を渡す
• おつりとレシートを受け取る
「練習→本番→振り返り」がもっとも効果的です。

え?って笑うかもしれませんが、テストもスポーツの大会もそう。練習しているから、うまくいくのです。
■ お金管理が身につくと、将来の自立に直結する
買い物・金銭管理は、高校・就職・一人暮らしなどにも直結する重要スキルです。
境界知能の子は、“できないのではなく、経験の積み重ねが必要なだけ”。
少しずつ段階を踏むことで、確実に身につけることができます。
焦らず、繰り返し、楽しく練習していきましょう。
