グレーゾーンと呼ばれる1つである、境界知能(境界知能レベルIQ70〜84)の子は、段取りを考えて行動することがとても苦手な傾向があります。
• 宿題の順番を決められない
• 用意する物を忘れる
• 時間配分ができない
• 1つの作業が終わらない
こうしたつまずきは「怠け」ではなく、脳の情報処理がゆっくりであることが理由です。この記事では、段取り力が弱くなる原因と、家庭でできる具体的な伸ばし方をまとめました。
このサイトでは、「境界知能」を、知的障害と平均域の間に位置し、学習や理解の場面で困りごとが表れやすい状態として扱っています。
「グレーゾーン」は、その境界知能を含めた、診断名だけでは整理しきれない幅のある状態を指す言葉として用いています。
■ 段取りが苦手になる3つの理由
1.ワーキングメモリ(作業記憶)が弱い
頭の中で
「何をする → 次に何をする」
と順番を保持しておくのが難しいため、段取りが組めません。
● 例:プリントをやっている途中で別の課題に気がそれる
● 例:道具を準備しながら最初に何をするか忘れる
2.処理速度が遅いため、計画が立てにくい
考えて行動するまでに時間がかかり、「終わるまでの時間」を予測するのが苦手です。
3.見通しを持つ力が弱い
未来のイメージが持ちにくく、「先にこれを終わらせたほうがスムーズ」と考えることが難しい傾向があります。
■ 家庭でできる「段取り力アップ」練習10選
では、その段取り力アップの練習を10個ご紹介します。
1.3ステップ家事で“順番”の練習
まずは、3つの順番を覚えるトレーニングをしていきましょう。
① 洗濯物を集める
② 洗濯機に入れる
③ スイッチを押す
シンプルで成功体験になりやすいです。
2.チェックリストを使う
「頭で覚える」より「目で見て確認」のほうが圧倒的に得意な人が多いです。
• 朝の準備リスト
• 学校の持ち物リスト
• 習い事セットリスト
※ 子どもと一緒に作ると定着が早いです。
3.タイマー学習
「この課題は10分だけ」と区切ると、時間の見通しが育ちます。しかも、集中力が続いたまま。これで成功体験を植え付けましょう。
4.スケジュールを“絵”で見せる
文章よりも視覚情報が理解しやすいため効果的。
• 朝の流れをイラストで提示
• 「宿題 → 休憩 → ゲーム」の順番を絵カードで並べる
5.1日の流れを一緒に決める
「何時に何をするか」を親子で作れば、段取り力の基礎になります。
6.やることは“必ず1つずつ”伝える
「宿題やって、そのあと明日の準備ね」
→ NG(情報が多すぎる)
「まず宿題を始めよう」
→ OK(1つずつなら理解しやすい)
これは境界知能は関係なく、感じることですよね。伝え方ひとつで、人間関係や仕事のはかどり方も違ってきます。
7.プロセスを言葉で説明する練習
「学校から帰ったら何をする?」
「ランドセルを片付けてから、宿題をする」
と、順番を口にするだけで定着が早まります。
8.親が“段取りの手本”を示す
「お母さんは今から夕食を作るよ。
① 野菜を切って
② 先にスープを作って
③ そのあとメインを作るね」
視覚+聴覚で理解が進みます。
9.「できたらチェック」で達成感を積み上げる
段取り力は「できた!」の積み重ねで伸びます。
10.予定変更は“必ず先に説明”する
急な変更に弱いため、「今日はこの順番になるよ」と前もって伝えることが重要です。
■ 境界知能の子には“段取りの外部化”が必須
頭の中で順序立てられないなら、それを自分の外で作りましょう。つまり、 見える形で補助するのです。
• ToDoリスト
• 絵カード
• スケジュールボード
• 手順書
• タイマー
これらを使うことで、段取り力は確実に伸びていきます。
■ まとめ:段取りは「トレーニングで必ず伸びる力」
境界知能の子が段取りを苦手とするのは、生まれつきの特性によるものです。
しかし、
• やることを見える化する
• 順番を一緒に作る
• 小さな成功体験を積む
これを続けることで、家庭でも十分に段取り力を伸ばすことができます。
段取り力は、中学・高校・社会人までずっと必要になるため、早めのサポートが一番の“未来の安心”につながります。

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