「特定の教科だけ極端に苦手…」
「頑張っているのに成績が上がらない」
そんな場合、単なる“勉強不足”ではありません。境界知能(IQ70〜85)の特性によってつまずきやすい教科や理由があることが多いのです。
• 境界知能の子がつまずきやすい教科
• 教科別の「つまずく理由」
• 今日から家庭でできるサポート方法
をわかりやすくまとめました。
学校の勉強に自信を持てなくなりやすい境界知能の子にとって、教科ごとに“合う学び方”を選ぶことが非常に大切です。
ぜひ、お子さんに合ったサポートのヒントにしてください。
■境界知能の子がつまずきやすい教科一覧
境界知能の子は、いわゆる5教科でつまずきやすい傾向があります。
• 国語(読解)
• 算数・数学
• 英語
• 理科(特に文章理解が必要な単元)
• 社会(語句暗記・因果関係の理解)
これらには共通して、
• ワーキングメモリの弱さ
• 抽象的思考の苦手さ
• 情報処理スピードの遅れ
• 語彙の少なさ
• 忘れやすいこと
などの境界知能の特性が影響しています。
では、教科別に詳しく見ていきましょう。
教科別|境界知能の子がつまずく理由と具体的サポート方法
1. 国語:文章読解が苦手になる理由とサポート
• 文章内の情報を“保持しながら”読み取るのが難しい
• 抽象的表現が理解しづらい
• 言葉の意味・語彙が少ない
• 主語・述語の関係がつかみにくい
• 問題文の指示語(これ/それ/あれ)が理解しづらい
文章量が一気に増える中学で成績が落ちるケースが多いのが特徴です。
【家庭でできるサポート】
①:短い文章で「誰が・何をした」を整理
• 読んだあと、
→ 誰が?
→ 何をした?
を一緒に確認しましょう。これで理解が進むことがあります。
②:音読トレーニング
• 音読すると情報が整理されやすいです。
• 1日1回、ずっと同じ単元を読むことで、長期記憶となり、テストの点数が伸びます。

境界知能の子供はワーキングメモリと呼ばれる、何かをするために覚えておく記憶が弱いです。これを長期記憶にすることで、問題が出ないこともあります。
③:語彙を“生活の中で増やす”
• TVやゲーム、漫画のセリフから語彙を拾う
• 「こういう意味だよ」と短く説明してあげる
• 日常から、その表現を使ってみる
④:長文は“段落ごと”に区切る
まとめ読みより、短く区切って理解させる方が効果的。
2. 算数・数学:最もつまずきやすい教科
• 数や量のイメージがつかみにくい
• ワーキングメモリが弱く、途中式を保持できない
• 公式の暗記が苦手
• 抽象的な概念(割合・比例)が理解しづらい
• 文章問題で必要な情報を取り出すのが難しい

中学の数学では「証明問題」に代表されるように抽象度が急上昇します、だから、途端に理解が難しくなるお子さんが非常に多いのです。
【家庭でできるサポート】
①:計算は“書いて整理”させる
暗算は難しいので必ず書かせる。さらに、解く公式は、時間がかかってもいいので、1つだけにするのも、お勧めです。

うちの子供は、こうしました。いろいろな解き方があると、それだけで頭がごちゃごちゃするみたいです。
②:文章問題は絵・図で見える化
• 人の動き
• 数の関係
• 比例のイメージ
など、すべて図解する。これができれば、目で見てわかるものになります。
③:公式は「簡単な言葉で」を説明する
例:割合=比べた結果「どのくらいか」を表す数
と、専門的な言葉や、漢字が多いのはダメ。簡単な言葉で説明しましょう。
④:1問ずつ小さく分けて学習
1ページ丸ごとより、1問ずつ確実に。そして、1問でも1つ1つの計算の過程をしっかりと、確実にすること。
3. 英語:暗記×音声の同時処理が難しい
• 単語の暗記が苦手
• 音と文字が一致しにくい
• 語順(文法)の理解が難しい
• 英文を読むスピードが極端に遅い
• 長文が頭に入らない
特に、スペルと発音の対応を覚えるのが非常に苦手です。
【家庭でできるサポート】
①:単語は「音声」から覚えるのもあり
多くの人は、単語は書いて。と思っているし、そう覚えたほうがいい子もいます。ただ音声のほうが記憶しやすい子もいる。読めることも大事です。
②:短い例文の丸暗記
例:
• This is a pen.
• I like dogs.
長文より短文の暗記のほうが、簡単でイメージしやすい場合もあります。
③:中学英語は教科書本文の音読が最強
• 文法の型が自然に身に付く
• 単語も同時に覚えられる
• さらに、長期記憶にもなり、ワーキングメモリを使わなくてよくなります。
4. 理科:文章量の多い単元でつまずきやすい
• 説明文の理解が苦手
• 図や表から情報を読み取るのが難しい
• 現象→理由の因果関係が理解しづらい
• 言葉の暗記が苦手
「なぜそうなるのか?」
を理解する部分が増えるため負担が大きくなります。
家庭でできるサポート】
①:図や動画で視覚的に理解
実験動画はかなり効果的。
②:内容を“生活と結びつけて”説明
例:光の反射 → 鏡で見える理由
例:気圧 → ペットボトルのへこみ
実際に見せてあげると、より記憶に残ります。
③:用語カードは短く・少なく
一度に詰め込まない。何度もやることで、こちらも長期記憶になっていきます。
5. 社会:覚える量の多さが最大の壁
• 用語が覚えられない
• 年号や因果関係が混乱する
• 地名・人名の整理が苦手
• 長文問題が読めない
暗記系ではあるものの、境界知能の子にとっては暗記の負荷が非常に大きい教科です。
【家庭でできるサポート】
①:歴史のストーリーなら、マンガもあり!(年号丸暗記は不向き)
歴史は “物語” でまとめた方が頭に入ります。特にマンガなら、人物もイメージできるので、おすすめです。

マンガを読むのは、勉強と感じにくい。だから、苦手意識も小さくなります。
②:地理は地図アプリと連動
「ここだよ」と位置情報を紐づけると理解が早いし、こちらも、イメージしやすいです。
③:短い用語カードで少しずつ
1日3語で十分。欲張る必要はありません。
■まとめ|境界知能の子は「教科ごとに合う学び方」を選ぶと伸びる
境界知能の子は、決して「勉強ができない」のではありません。
ただ、一般的な学び方が合っていないだけです。
本記事で紹介したように、教科ごとに
• 図解
• 音読
• ストーリー化
• 分割学習
• 実物・動画を使う
など、“特性に合う学習方法”を選ぶことで理解は確実に進みます。そして、キーワードは「長期記憶」。短期記憶のワーキングメモリを使うのが苦手な子供を、その分野で勝負する必要はありません。
お子さんの特性に合わせた学び方を選ぶことで、
「できた!」
という成功体験が増え、自己肯定感も大きく育っていきます。
