境界知能やグレーゾーンの子どもを育てていると、
いつの間にか、
子どもの人生そのものを背負ってしまうことがあります。
「この子の将来は私にかかっている」
「今の判断を間違えたら取り返しがつかない」
「私が支え続けなければ生きていけないかもしれない」
そんな気持ちになったことはないでしょうか。
親として当然の思いです。
でも、
その責任を全部抱え続けることは、
親自身を苦しめてしまいます。
この記事では、
親が手放していい責任と、
親だからこそ持ち続けたい責任について整理していきます。
親は子どもの人生を守りたくなる
子どもが困っている姿を見ると、
助けたくなります。
失敗しそうなら止めたくなります。
遠回りしそうなら、
近道を教えたくなります。
特に境界知能の子どもは、
失敗経験が増えやすいと言われています。
だからこそ、
親は余計に守りたくなります。
これは愛情です。
間違ったことではありません。
いつの間にか「人生全体」を抱えてしまう
問題はここからです。
親は、
今日の困りごとだけではなく、
将来まで抱えるようになります。
例えば、
宿題が終わらない。
本来は今日の問題です。
高校受験。
就職。
老後。
親亡き後。
そんなところまで話が飛んでしまいます。
気づけば、
子どもの人生全体を背負っています。
本当に親が背負うべき責任とは
ここで考えてみてほしいことがあります。
親の責任とは何でしょうか。
私は、
子どもの人生を成功させることではないと思っています。
親の責任は、
子どもが生きていくための土台を整えることです。
・安心できる環境
・学ぶ機会
・相談できる関係
・失敗しても戻れる場所
こうした土台を作ることです。
背負わなくていい責任もある
親が苦しくなる理由の一つは、
本来背負わなくていい責任まで抱えていることです。
・子どもの進路の成功
・子どもの就職の成功
・子どもの人間関係の成功
・子どもの人生の幸福
これらは、
親がコントロールできるものではありません。
もちろん応援はできます。
支援もできます。
でも、
結果そのものを背負うことはできません。
子どもには子どもの人生がある
親は、
子どもの人生を代わりに生きることはできません。
失敗もあります。
後悔もあります。
遠回りもあります。
でも、
それらは本来、
子ども自身が経験する人生です。
親が全部取り除くことはできません。
「失敗させない」より「戻れる場所を作る」
多くの親は、
失敗を防ごうとします。
でも、
現実には失敗をゼロにはできません。
大事なのは別のこと。
失敗しない人生ではなく、
失敗しても戻れる人生。
その方が現実的です。
子どもを信じることも支援になる
支援というと、
何かをしてあげることだと思われがちです。
でも、
何もしない支援もあります。
待つこと。
見守ること。
任せること。
信じること。
これは簡単ではありません。
でも、
成長のためには必要な場面があります。
親自身の人生も大切にしていい
境界知能の子育てでは、
親が自分の人生を後回しにしやすくなります。
趣味。
友人関係。
仕事。
休息。
全部後回し。
でも、
親にも人生があります。
親が人生を諦めることと、
子どもを支えることは違います。
「親亡き後」を考えすぎない
親が強い不安を抱えるテーマの一つに、
親亡き後があります。
もちろん、
考えておくことは大切です。
でも、
毎日考える必要はありません。
今、小学生なら。
今、中学生なら。
まず考えるべきことは、
今日の生活です。
10年後の不安のために、
今日を犠牲にしすぎないことも大切です。
最後に
境界知能の子どもを育てていると、
親はたくさんの責任を背負います。
でも、
全部を背負う必要はありません。
親が持つべき責任。
手放していい責任。
それを分けるだけでも、
心は少し軽くなります。
親の役割は、
子どもの人生を完成させることではありません。
その子が、
自分の人生を歩いていくための土台を作ることです。
そして、
その土台は、
親が壊れないことで初めて支え続けられるのだと思います。
